【第10話 無償の愛】

第九話からの続きです。

わたしは自分の病気、鬱病のこと 生きづらさを抱えていること これからどう生きたいか などを彼女に伝えました。

彼女はそれを受け入れてくれて。。。三年半、わたしは人生のなかで最も幸せな日々を過ごすことが出来たのです。

鬱病は、それでもわたしを苦しめましたが、彼女と出会ってから1年で通院をやめ、薬も止めることが出来ました。

元気を取り戻したわたしですが、彼女と話をするたびに「今の生き方で良いのか」を自問自答するようになったのです。

特に仕事に関して思いが強くなりました。この仕事は世の中に貢献しているのだろうか、誰かに幸せを届けられているのだろうか、地球を傷付ける仕事はしたくない など。。。

わたしは転職を決めました。自分が正しいと思った生き方が出来る企業でこれからの人生を歩きたかったからです。彼女と。

幸い転職活動は上手く行き、内定もいただけました。しかし、次第に仕事に忙殺されるようになり、休みも取れない状況になりました。そんなとき、わたしは大きな過ちを犯しました。

ほとんど会えないにも関わらず、久しぶりに会った彼女の前でパソコンを開き、話も聞かず仕事に没頭したのです。

そのとき、わたしはもう決めていたのかも知れません、彼女に別れを切り出すことを。

会えないから 彼女の時間を奪ってしまうから など自分の都合の良い言い訳を並べ。。。お別れをしたのです。

これから来る鬼のような後悔はそのときは気づきませんでした。

半年後 わたしは彼女の誕生日前に食事のお誘いをしました。返ってきた返答は二年半経った今でも忘れることが出来ません。

「大切にしてくれる人ができました」

少し経って

「結婚が決まったので、もう、連絡しないでください」

わたしは、そのとき、自分が壊れる音を聞きました。硝子が金槌で叩かれて割れるように、わたしは粉々になりました。

そうなってはじめて気づいたのです。彼女が鬱病のわたしに与え続けてくれた無償の愛に。

泣いていたわたしに会いに来てくれたこと 寂しくて壊れそうなとき何時間も電話に付き合ってくれたこと 自㊙をとめるため新幹線で駆けつけてくれたこと

もう、届かないけど ありがとう

【第11話 再々発 それでも生きる】に続きます。

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