「将来のビジョンがない」という悩み
edit2022.05.28 1,264
近況報告
こんばんは。わしゅーです。
うつ病で休職したときには、食欲がだいぶ減退していました。仕事のしすぎで、だいたい1日1食、しかも栄養の偏ったものを食べる、という状態でした。だいたいピークから8kgくらい体重が減っていたと思います。
なので、休職してまずやったことは、食事をしっかりとることでした。復職後も、しっかり1日3食、食べるようにしていました。そうしたら、こんどは太ってしまいました。
なので、気力が減退しないように注意しながら、食事を改善しようとしているところです。
将来のビジョン
さて、みなさんは「自分は将来こういう人間になりたい」「将来はこういう職業につきたい」「将来はこういう生活がしたい」という、将来ビジョンがありますでしょうか?
わしゅーは、ちょうど「就職氷河期」といわれる世代で、こういった将来ビジョンを持ちづらくなった世代だと言われています。
それまでは、ほとんどの人が「有名大学を出て、一流企業に新卒入社し、定年まで勤めて、退職金をもらって、老後は年金で悠々自適」という将来ビジョンをもつことができていました。
しかし、日本という国の景気が悪くなり、この枠からこぼれてしまう人が、多数出てくるようになりました。
そうすると、大人たちは『これからは各自が自分で、将来のビジョンを描いて、自分で未来を切り開いていくべきだ』と言いだしたわけです。
しかし、肝心の「ビジョンの描き方」は、だれも教えてくれなかった。というより、それまで自分のビジョンなんて描く必要のなかった人達が、そんなことを教えられるはずがなかったのです。
こうして、多くの若者が、将来に迷うようになってしまいました。
VUCAの時代
さて、現代は、”VUCA”の時代と言われることがあります。「ブーカ」と読むそうです。
VUCAとは何でしょうか。以下の言葉の頭文字をとった言葉だということです。
- V – Volatility(変動性)
- U – Uncertainty(不確実性)
- C – Complexity(複雑性)
- A – Ambiguity(曖昧性)
どういう意味でしょうか。人材育成会社のリクルートマネジメントソリューションズのホームページによると、
変化が激しく、あらやるものを取り巻く環境が複雑性を増し、想定外の事象が発生する将来予測が困難な状態
という意味だそうです。
Googleトレンドによると、2015年ごろから徐々に検索されることが多くなってきた言葉だと分かります。
「将来のビジョンが描けない」というのは、やり方だけの問題ではなく、そもそも社会そのものが、将来予測が難しくなっている、ということもありそうです。
VUCAの意味を詳しく
さて、VUCAとは、4つの言葉の頭文字でした。それぞれどんな意味なのか、ひとつひとつ考えてみましょう。
Volatility – 変動性
「ボラティリティ」と読みますが、この言葉は、おもに株式投資など、投資や資産運用の分野でよく使われます。簡単にいえば、ある商品の価格が変動する度合いのことです。
コンビニで売っているチョコレートの値段は、ここ10年間ほとんど変わっていません。チョコレートの値段はVolatilityが低い。一方、ガソリンの値段は、高くなったり安くなったりしています。ガソリンの値段はVolatilityが高い。
とはいえ、そもそもチョコレートがコンビニからなくなったり、ガソリンがガソリンスタンドからなくなったりすることは、ほとんどないわけです。そういう意味では安定しているのですが、ただお値段が変動することがある。
なので、Volatilityがあるということは、
- 「すこしお金に余裕をもっておかないと、困るかもしれない」
ということになりそうです。
Uncertainty – 不確実性
Uncertaintyは、読んで字のごとく、「確実でない」ということになります。
我々は、日々の生活において、「確実だと思える」ものを頼りにして生きています。たとえば、通勤や通学に電車を使う人は、電車が毎日ほぼ確実に駅にやってくるから、通勤や通学に使おうと思うわけですね。
もし、電車が、たまに駅にこないことがある、となったらどうでしょうか。毎日、会社や授業に遅刻するかもしれない、という状況になります。そうすると、そんなものにはとても頼れません。「じゃあ自転車で行こうか」「車にしようか」「いやそもそも会社の近くに引越ししようか」となります。
なので、Uncertaintyがあるということは、
- 「それが確実に手に入ると期待できないので、別の安全策を考えないといけない」
ということになりそうです。
Complexity – 複雑性
「コンプレックス」という言葉は、劣等感という意味で覚えている人が多いと思いますが、もともとは「複雑」という意味です。
科学の世界では、2つ以上の要素が関係しあって、別の性質があらわれるものを「複雑系」と呼んでいます。人間でいえば、AさんとBさんとCさん、ひとりひとりはすごくいい人なのに、3人合わさると、なぜか付き合いづらくなる、、みたいなケースを想像すると、よいかもしれません。
複雑になった社会では、たとえば小学校、中学校、高校、大学、就職と、とくに失敗をせずに乗りきってきたにもかかわらず、大きな失敗をしてしまう、、ということも、あるかもしれません。
会社でも、ずっと一流企業で、成長を重ねてきたにもかかわらず、ちょっとした不祥事によって、一挙に倒産寸前までいってしまう、ということがありえます。
なので、Complexityがあるということは、
- 成功を積み重ねていくことが、かならずしも将来の成功を約束するものではない
ということになりそうです。
Ambiguity – 曖昧性
「アンビギュイティ」と読みます。日本人には読みづらいですね。
「あいまい」という言葉の意味は、「ある言葉が2通り以上に解釈できる」ということです。あることの意味が、はっきりと決まっていない、ということになります。
たとえば、なにかで「失敗」をしたとしましょう。失敗とは、うまくいかなかったり、やりそこなったりする、という意味です。もし「失敗」に、悪い意味しかないとすれば、一度失敗したら、そのマイナスは一生取り返せません。負け組一直線ということになります。
一昔前であれば、仕事でミスをして一流企業をクビになったら、その人はもう成功のレールから外れてしまっていました。将来ビジョンが明確である分、失敗は二度と取り返せないものだったわけです。
しかし現実には「失敗は成功のもと」「失敗をバネに努力して成功した」という、良い意味もあるわけです。「失敗」ということ自体が、曖昧性をもっています。
なので、Ambiguityがあるということは、すごくざっくり言えば
- 悪いものが悪いことばかりではない その逆に、良いものが良いことばかりでもない
ということになりそうです。
VUCAの時代の将来ビジョン
さて、ここまで考えてみた、VUCAの意味をまとめてみましょう。
- すこしお金に余裕をもっておかないと、困るかもしれない(変動性)
- それが確実に手に入ると期待できないので、別の安全策を考えないといけない(不確実性)
- 成功を積み重ねていくことが、かならずしも将来の成功を約束するものではない(複雑性)
- 悪いものが悪いことばかりではない その逆に、良いものが良いことばかりでもない(曖昧性)
現代社会では、将来ははっきりと予測できないものになっています。将来、あるものを手にいれていこうとするときに、多少余裕を見て、はやめはやめに準備し、さらに、それがまったく手に入らなかったときのことも想定して、別の道も考えておく。そして、運良く成功しつづけたとしても、将来は約束されていない。どこかで失敗がかならずある。しかしその失敗も、悪いことばかりではないので、どこかに良いところがないか見つけていく必要がある。
VUCAという言葉からは、周到な準備と、継続的な努力、そして、それが実らなかったとしても、また別の見方をして、良かったことに注目して、また気をとりなおして前に進んでいく、そんなポジティブな将来ビジョンが浮かんできます。
幸せの道はひとつではない、という心構えこそが、もっとも大切な将来ビジョンなのかもしれません。
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