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彼の生き残った罪悪感
1243 edit2016.11.07
地元から遠く離れた職場に就職し、職場である男性と出会いました。偶然にも出身県も卒業大学も同じで、自然と二人の距離は縮まっていきました。彼は私よりも6歳年上で、仕事の面でもプライベートの面でも優しく、時には厳しく導いてくれる人です。嫌なことから目を背けがちだった私を、たくましく成長させてくれた大切な人です。
週末には食事をしたり買い物をしたりと、お互い好意を持ってることは明らかでした。互いの家を行き来することも多く、「このまま恋人になれるんだろう」と期待もありました。しかし、デートしたり互いの家に泊まることまでしても、付き合おうという話、況してやそういう行為もありません。徐々に距離を縮めたいのは彼の誠実さだと思う一方、半年以上経っても進展しない関係に痺れを切らした私は自分から「付き合ってくれませんか」と告白しました。そのとき初めて聞かされた彼の心うちに、今とても悩んでいます。
私達の出身県は東日本大震災の被災地です。私の地元は内陸で然程被害はありませんでしたが、彼の地元は津波で甚大な被害を受けました。その日、3月11日の朝に自分だけが東京に遊びに行くために地元を離れ、その数時間後両親が津波に流されたこと。母親が見つかっていないこと。両親捜索の際、近所の人達、幼馴染、教育実習で教えた子供達の遺体を発見してしまったこと。被災者根性と言われるかもしれないが、5年経った今の方がその情景が心を蝕んでいること。
そして最後に彼から言われたのは「好きだけど、自分は幸せになったらダメな気がするし、許されない気がする。どうして自分が生きているのかわからない。君と恋人同士になって結婚して幸せになりたいけれど、許されない気がする。生きていることに罪悪感を5年間感じている。」という言葉でした。彼の事情を知っている人は職場でもごく一部のようで、普段は明るく影を感じさせない人です。この5年間、妹や弟を大学まで行かせ残された家族に尽くしてきた彼が、いざ自分の幸せについて考えた時に強烈な罪悪感を抱いてしまったようです。
「付き合おうという答えを出せないくせに、君とデートしたり期待させるようなことばかりして自分は何て不誠実なんだろう。幸せになりたい、でもなってはいけない。」と苦しむ姿を見て、かける言葉も出ませんでした。私は彼が大好きです。自分の幸せより、初めて人の幸せを優先させたいと思わせてくれた人です。長い目で彼と付き合っていかなければいけない、早く恋人になりたいだなんて自分のワガママに過ぎないんだ、と思うと頭ではわかっても胸が苦しくなります。
アドバイスを求めたかったというよりも、誰にも言えないこの気持ちを吐き出したかったのかもしれません…。
読んでくださってありがとうございます。長々とすみませんでした。
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