【「学校辞めたい」と思っている学生さんへ】現役大学生による「休学」レポート
visibility5,367 edit2017.09.09
皆さんこんにちは、たかれんです。
ココトモで(お知らせなどを除いた)プライベートなブログを書くのはおよそ1年ぶりです。この1年、いろいろなことがありました。
ありすぎてなかなかココトモのブログを書けていませんでしたが、ちょこーっとずつ落ち着てきたので、少しずつブログにしていこうかなと思っています。
わたし、今休学中なんです。
ご存知の方も多いかもしれませんが、わたしは現在大学を休学しています。正式に大学に休学届を提出したのが今年のはじめ。ただ、去年の今ぐらいから大学には行っていません。
今回は、わたしが休学したきっかけや休学して気づいたことなどをまとめてみます。
このブログが、「学校やめたい」と悩んでいる方や、「本当は大学辞めたいけど……」とこれからの道を選びあぐねている方にとって少しでも将来の参考になれば幸いです。
わたし自身もまだ生き方や将来の道について悩んでいる最中であるため、あくまで当事者の一意見として聞いていただけたらと思います。もしよろしければ、コーヒー片手にお付き合いください。
ある夏の日、大学に「行けなく」なってしまった。
休学の理由は様々ですが、直接のきっかけは「身体と心が追いつけなくなった」ことです。
とはいえ、すぐに体調を崩したり倒れたりしたわけではありません。
いくらやってもレポートが進まない……。講義の内容がほとんど頭に残っていない……。ついさっき先生が言っていたことを覚えていない……。前はほとんどなかったのになんだか最近忘れ物が異様に多い……。最初は、そんな些細な事からでした。当時は特に気に留めてはいなかったのですが、このあたりからわたしの身体と心はサインを出してくれていたのだと思います。
これらのサインを全力でスルーした結果、大学の最寄り駅で降りられなくなってしまいました。
ふつうに、朝大学へ行くために電車に乗ったのに、なぜか乗り過ごしてしまって。折り返しの電車を待っていたのですが、電車が来ても身体が動かなくて。
「あぁ、また行ってしまった。次の電車待つか……」なんてことを3回くらい繰り返した後、大学に行くことを諦めました。
大学に行くのをやめたら身体がものすごく軽くなって、途端に涙が溢れてきました。
ホームの隅のベンチでひっそりと一人で泣いて、家へ帰るのも気が引けたのでその後はココトモハウスへ行きました(笑)。
家と学校以外の居場所があってほんとうによかったと思います。ハウスがなかったら私はどうしていたのでしょう……? 想像すらできません。
ココトモハウスは、東京・代々木にあるコミュニケーションスペース。ココトモと運営元が同じであることもあって、2年ほど前にオープンしてからずっとお世話になっています。(詳細はコチラのページをご覧ください。)
その夜、帰宅してから母親にことの経緯を説明し、父親に「一週間ほど大学は休ませてもらいます」という旨の報告をしました。
わたしは中学校でも高校でも学校に行けていない時期があったので、「またかよ」なんて言われるのかなあなんて考えていたのですが、現実は想像より呆気なくて。
父親からは「これで美味いものでも食べてこい」と現金2,000円をいただきました。
「そういうことじゃないんだけどなぁ」なんてちょっぴり思いもしましたが、父親なりの愛情だと思って受け止めています。
世間体を気にする親との奮闘と、休学できるまでの流れ
「1週間休む」と決めてから1週間、ほんとうに楽に過ごせたかというと微妙なところです。
たしかに身体を休めることはできましたが、大学に行けていないという罪悪感や、今もちゃんと通っているであろう同級生たちに置いていかれるのではないかという焦り、親不孝をしている申し訳なさ……、いろいろな感情がごちゃ混ぜになっていて、正直めちゃくちゃしんどかったです。
ただ、身体を休められたことと、一度離れたところから現状を見直すことができたのは良かったと思っています。
それまではずっと、大学に行っていてもまともに集中できておらず、大学へ向かう電車を待っている間にふと「あ、今一歩踏み出したら学校に行かなくてすむのでは……?」なんて考えが脳裏をかすめたことは一度や二度ではありませんでした。
1週間休んでも、わたしの身体と心はギリギリの状態。とてもじゃないけど大学に通えるような状態ではありませんでした。
でも、これ以上休むと単位を落としてしまうくらいにはわたしはまともに通えていなかったので、早急に「大学を休む(今季の単位取得と学費を諦める)or大学に毎日通う(1単位も落とさないために心身に鞭を打つ)」のどちらかを選ばなくてはなりませんでした。
結果的にわたしは前者を選びましたが、正直ギリギリまで悩んでいました。
理系の大学に通っているわたしには、学費だけで1年間に100万円以上のお金がつぎ込まれています。
その出所は父親の給料であり、我が家は貧乏ではなかったものの決して裕福な家庭ではありませんでした。
わたしが大学に行けなくなってしまったのは10月中旬くらい。秋期の学費はすでに支払い済みで、つまりわたしが大学を休むということは、それほどのお金をどぶに捨てることと同義になってしまうのです。
実際に父親からも「秋期の学費はもうどうしようもないけど、休みたいなら休みな」と、気遣いなんだか嫌味なんだか分からない助言をいただきました。
ちなみに母親からは、休学が決まった後に「あと2年(=休学を除くとストレート)で卒業できそう? よかった、半年伸びるかどうかでお金もだいぶ変わるからさぁ……」という言葉をいただきました。
正直その両親の発言はとてつもないダメージをわたしの心に与えました。こんなこと言われたら「体力的にしんどいから1年余計に通わせてほしい」なんて言えません。
結局身体が動かないので大学を休むことにしましたが、中途半端な時期になってしまったのは今でも少しだけ後悔しています。
もう少し早く自分の声を聴けていたら、夏休み中に「休む」という選択ができていたのかもしれません。
そんな半端な時期に大学を休み始めたので、わたしは「ずっと休学していた」わけではありません。去年の10月から今年の3月まではあくまでわたしは「ふつうに大学に在籍している」扱いであり、大学に行けば講義を受けられます。今年の4月からは休学届を提出しているので正式に休学中となっています。
休学の手続きは学校に寄るので詳細は省きますが、担当の先生にメールでアポをとり、対面で「休学をしたい」旨を伝えました。その後は必要な書類を記入し、休学費用を払って完了。
驚くほど呆気なかったのですが、手続きを終えた後には「これまでわたしはちゃんと呼吸ができていなかったのだろうか……」と感じられるほどに空気を美味しく感じました。
視界が明るくなり、身体がちゃんと動き、ごはんが美味しくて、夜にはきちんと眠くなる。当然のはずのいろいろなものを失っていたことに、その時初めて気が付きました。
休学中の今、主に取り組んでいること
現在、休学中ではあるものの、そう暇な日々を過ごしているわけではありません。
ココトモでブログを書いたり相談活動したり、先ほど出てきた「ココトモハウス」でスタッフとして皆さんをおもてなししたり……。加えてアルバイトも昨年末くらいから始め、他にもいろいろ活動をしているため、スケジュールは常にパンパンです(笑)。
休学してすぐは体力も精神力も底をつくどころかマイナス値だったので1日中ベッドの上で過ごしていたのですが、一人でいると罪悪感やら焦燥感やらに襲われて休むにも休めなかったため、意識して人と一緒にいるよにしていました。
おかげさまで、夜には枕を濡らすこともあったけれど、全体的には元気に過ごせているように思います。
時間の自由が利くようになったため、いろいろな人とごはんに行ったり遊びに行ったりすることもありました。
他にも、個人のブログを立ち上げてみたり、新しい分野の勉強を始めてみたりと、様々なことに取り組んでいます。
あくまで体感値としてですが、おそらく大学に通っていた時よりも忙しいです。スケジュールはパンッパンなのですが、充実した日々です。自己嫌悪に陥ることも、忙しすぎてちょっとだけ疲れてしまうこともありますが、毎日楽しく過ごしております。
「自分の人生をおくるってこういうことか!」って感じです(笑)。
休学して気が付いたことあれこれ
実際に休学してみると、想像上の「休学」とは少し違っていて、新鮮な気づきがたくさんありました。良かったことも悪かったこともありますが、まるっとまとめてみます。
1.「集団に属していない」感覚はやっぱり不安
中学で不登校だった時期や、高校でクラスのグループから離れた時期等にも感じたことですが、「集団(大学、サークル、みたいなカテゴリー)に属していない」感覚は、やはり不安になります。
大学に通っている時には「〇〇大学に通っているたかれんです」と言えたのに、それが一言じゃ説明できなくなってしまう。
「今はメインは何をやっているんですか?」と訊かれてもすっと答えられない。
休学していると話した時の「なんで?」に対して言葉が詰まってしまう……。
最初は、「本来行けているはずの大学に行けていない」という負い目から、肩身が狭くてしかたありませんでした。
2.「とやかく言ってくる人」に自尊心を削り取られる
休み始めてから数か月で慣れて、今では普通に「体力的に限界だったので今は休学中です。ボランティアとアルバイトを主にやっています」とさらっと答えられますが、「休学してます」と言うことも、最初は勇気がいりました。
ただ、大学が認めている制度を利用したに過ぎないのですけれどね。
きっと随分と長い間、「高校に行って、大学を卒業して、一般企業に就職して、結婚して……」みたいな人生が王道であるという考えを持ち続けていたからなのでしょう。
「休学したら1年間周りから遅れとっちゃうよ」「え、やりたいことがあるわけじゃないのに休学してるの? 就活の時に不利になっちゃうよ?」等といったありがた~い助言をいただくこともありましたが、「あなたはそうしたらいいと思いますよ。わたしはこっちにするけど」程度に考えています。
実際には、就職せずに自分で起業をする方がいたり、結婚せずにパートナーを見つける方がいたり、高校卒業してすぐ夢を追いかけ始める方がいたり、100人いたら100通りの人生があるのですよね。
それに気が付いてからは、「休学って言って苦言を呈してくる人がいたらその人とはちょうどいい距離感を保てばいいかな」くらいに考えられるようになりました。
3.時間がめっちゃできた
当然ですが、大学の講義に費やしていた時間がまるっと空いたため、特に平日に時間のゆとりが生まれました。その時間をつかって様々なことに取り組めましたし、自分の将来のことやこれからの生き方について、じっくり自分の声と向き合えました。
生まれて初めての一人旅に行ったり、ずっと会えていなかった友人と会ったり、伝えられなかった想いを伝えたり。
これまで蔑ろにしていた、本当はとても大切な部分を、やっとちゃんと大切にできるようになりました。
時間がありすぎて「わたし、クズじゃね……?」なんて考えてしまうこともありますが、そういう時にはヒトカラ等でストレス発散しています。
自分に合ったストレス発散法を見つけられたのも、休学を決めてからです。きっとそれまでは、ストレスが積もっても気が付かないくらい忙しない日々を過ごしていたのでしょう。
4.いろいろな人の意見を聞けた
できた時間を使って、いろいろな人に会いに行きました。いろいろな意見を伺いました。
大学のこと、将来について悩んでいること、来年には答えを出さなければいけないこと、家庭のこと……。
たくさんのことを、たくさんの方に相談させていただきました。
思えば、そうやって誰かと話をしたり自分の人生と向き合ったりする機会も、あまりなかった気がします。
多種多様な考え方をこの年齢で知れて、ほんとうに良かったです。
おかげさまで、将来の選択肢が随分と増えました。そのせいで悩みは増え続けてばかりです(笑)。
5.「自分の人生を歩んでる」感が得られた
休学すると、厳しい意見を目にすることもあります。
親不孝。学費の無駄。時間がもったいない。やりたいことがあるわけではないのに……。
グサグサと突き刺さりましたが、それでも全力でスルーしています。
なぜなら、わたしの人生は他の誰でもないわたし自身のものだから。
誰がなんと言おうが、やりたくないことはやりたくありません。
とやかく言ってくる人は、とやかく言ってくることはあっても、その結果わたしの人生がめちゃくちゃになったとしても責任はとってくれません。
責任を取るのはどうせわたしなのだから、「周りからどう見られているのか」ではなく、「わたし自身はどうありたいのか」を大切にしたいと考えています。
自分がどう行動するかは自分で選ぶということ。そしてその結果がうまくいこうとうまくいかなかろうと、その事実も含めて責任を持つこと。「自分の人生をおくるとはどういことか」ということが、以前よりほんの少しだけ分かった気がします。
休学を考えている学生の方へ
「休学」は、大学で正式に認められている制度なはずなのに、ネガティブな目で見られることがまだまだ多いように感じます。
休学=就活に不利。休学=怠け。休学=やりたいことが大学じゃできない場合にやること。休学=学生の本分を無視している。
実際、休学してから心無い言葉もたくさん受けました。
休学しようか悩んだ時に検索をかけてみたら、「休学はしてもいいけど将来の道は狭まるよ」なんてページをたくさん見かけました。
でもわたしは、休学してみてかえって将来の道が広がった気がしています。
大学に行く道ももちろんありですが、大学に行かない道があったっていいのではないでしょうか。
きっと、どちらの道を選ぼうと多少の後悔はあると思います。
わたしだって、休学して良いことしかなかった、というわけではありません。苦労もたくさんあったし、たくさん傷ついたし、休学したからこその悩みもあります。
でも、人生、楽しいです。
「生きてる」ってこういうことなんだな、って、毎日様々な気づきに囲まれて、幸せでたまりません。
学校に行きたくなくて、人生も辞めたくなったら、「休む」という選択肢を加えてみてください。
その結果見えてくるものも、あるかもしれませんよ。
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