虐待されても家族がほしいです。

これまで自分が何をされてきたのか書こうとすると、思考が止まってしまっていました。壁が現れるのです。まるでそこから先には行ってはいけないと言われてるように。思い出さない方がいいって警鐘を鳴らされているように。心が拒否していました。

 

でも今日は書けそうな私なので、書いてみようと思います。

父にお風呂や脱衣場を覗かれたこと。父がだんだん大人の体つきになっていく娘たちをにやにやしながら見てたこと。
母は早く死にたいと口にしていたこと。胃癌で全摘手術した父を死んでくれればよかったのにと言っていたこと。

 

なんで結婚したの?と母に聞いたら間違えたと言われたとき、じゃあ間違いから生まれた私はどうしたらいいのと思った。

車で遠出したとき、私だけ下ろされて置き去りにされそうになったこと。泣きながら走って車を追いかけたら車内で母が笑ってたこと。
てゆうかそもそも車酔いする体質の子どもを連れて遠出すること自体が虐待なのだと、恩田陸さんの『象と耳鳴り』を読んで思った。神奈川から父の実家の宮崎まで車で行こうって、酔狂も甚だしいでしょ。

 

おかしい人たちだったのよ。

 

酔うと吐いちゃうから、当事者である私は苦しいし気持ち悪いし申し訳なくていたたまれなかった。そんな私を介抱するのは母の役目。小学生のときは季節の変わり目で必ずと言っていい程体調を崩し、食べられなくなったり食べても吐いたりしていた。汚れた衣服や布団を洗うのも母。嫌われる理由なら十分だった。迷惑そうな顔をされていた。嫌われてしまうと思って普段の生活では「役に立ついい子」であろうとした。

 

寝ていて蹴られて目が覚めたことがある。父にも母にも。なんで?って思った。こわかった。涙さえこらえて寝たふりし続けるしかなかった。イライラしてたんだろうね。何か私の言動が気に食わなかったのかもね。でもやっていいことと悪いことってあるでしょ。

 

うちは3人姉妹で従兄弟は3人兄弟だったから、中間子の私は親戚が集まるたび「お前はあっちの家の子になれ」と言われた。真ん中っ子同士交換しようって。本当は男の子がよかったんだって。荷物は送ってやるから帰って来るなって。

 

「おまえなんかいらない」

 

 

大学で「養護原理」の授業のときに、自分がされていたのは虐待だったと知りました。虐待には4種類ある。人格を否定されることは心理的虐待。家は安心できる場所ではなかったし常におびやかされていた。授業中なのに泣いている私を友人は不思議そうに見ていた。

 

たかだかチャンネル争いでキレてお茶碗やおかずののったお皿を床に叩きつけた父。びっくりしてこわくてごはんの味なんかしなかった。

 

 

犬も食わない、って思ってた。度重なる夫婦喧嘩。お金を貯めて家を出るのが生きるモチベーションだった。ドキュメンタリー番組でみた施設で暮らしたいと思ってた。親なんか要らないから安定した生活が欲しかった。ゆっくり休める場所が欲しかった。でもどうやったらそこに行けるのかわからなくて、小学生のころから一人暮らしに憧れていた。

 

 

夫婦で話すからあっちに行ってなさいと言われ、扉を閉められた私たち。みんな泣きそうな顔をしていた。扉を開けたとき血まみれになってたら救急車を呼ばなきゃって思った。父か?母か?緊張で吐き気がした。

 

生きるか死ぬか、未成年が親を、みたいなニュースを見るたびに、他人事ではないと思った。物理的にも精神的にも飽和状態のあの家で、誰がぶちキレて包丁持ち出すか。今日か、明日か。殺るか、殺られるか。ベランダから突き落とすか?熱湯を浴びせるか?

 

殺す価値もないって、実行する前に高校の家庭科の先生に気づかせてもらえたし、私はめでたくお金を貯めて家を捨て、その後夜逃げ同然で母たちも家と父を捨て、しばらくして離婚も成立して。

 

でもたまに、いまだに父から連絡がくることがある。そもそも連絡先教えたことないんだけど。会いたい。元気にしてるか。入院してるからお見舞いに来てほしい。祖母が危篤だから会ってほしい。どこまで本当なんだろう。どこまで迷惑かけていいと思ってるんだろう。

 

自分のやったことがわかってないらしい。モラルハラスメントという言葉は姉がネットから拾ってきた。単なる頭の悪い変な人、とてもとても精神年齢の低い人だと思ってたら、世の中には父みたいなのが他にもいるらしい。

 

 

両親離婚してるんですっていうと、そんな辛いこと話させちゃってごめんねと言われることもありますが。大丈夫だよ。離婚してくれなかった日々が一番しんどかったから。血は乾いたしかさぶたもはがれたよ。消えない傷痕は生き延びた勲章だと思ってもいいかな?

 

 

 

虐待されても家族がほしいです。虐待されたから家族がほしいです。自分が育った家庭が自分の所属する唯一の家庭だなんて、そんな人生は嫌。

 

付き合う人や親しくなる男の人で、宮崎出身とか、自分より学歴の低い人とか(母は短大卒で父は高卒だったから)、年下とか(母が父より1歳上だから)、中小企業勤めとかは避けようと思っていたけれど、だんだんそういうものでもないってわかるようにもなりました。そんな括りでは人は判断できない。尊敬できる男性にも出会えたり、私を助けてくれる存在がいたり。恩師とも育ての父親とも呼べる人がいるおかげで、男性不信ではないです。

 

世代間連鎖なんて起こさないから。

あなたたちを反面教師にして、生きます。

親を否定して生きるのは自分のルーツを否定することで辛いから、否定も肯定も放棄します。そんなんどうだっていい。
 

お父さん?
パパ?
たぶんきっと20年以上口をきいていないけど、今日は父の日なんだって。私から最後の言葉をあげる。

 

あなたのことは親とも子とも思ってないです。もう憎んでも恨んでもない。あなたに興味がない。私の人生にこれ以上関わらないでください。

 

 

 

 

以上、ココトモライター・エディターチームのなつめでした。

 

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コメント一覧

全12件
  1. schedule2016.06.25

    なつめ

    ぽむぽむさん!

    目を通して良かったと思っていただけて本望です。泣かせちゃってごめんなさい(>_<) 「恐怖ばかり」だったら最早「躾」も「教育」も逸脱してるんじゃないですか。虐待だと思って自分が楽になるならそう思えばいいと思いますよ。 はたからみたらとか気にしなくていいです。周り人がぽむぽむさんの人生引き取ってくれる訳でもないし。 そんなことよりぽむぽむさんが自分が壊れたと思ってることが悲しいです。 虐待の定義は4つあって、ググれば出てきます。 自分を罰するというか… 傷を認めて立ち上がる行為が次にぽむぽむさんがやるべきことなのではないですか?大事なのは「虐待」か「虐待じゃないか」じゃなくて「疲れやすくて無職で未成年」と仰る生活をどう改善していくかとお見受けしましたが?(´・ω・`)? 心身相関ありますし、ジャンクなものばっかり食べて夜更かししてたら当然疲れやすくなるので生活習慣も多分に関係があると思います!ちゃんと食べてちゃんと寝れてますか?身体冷えてません?冷えは万病の元ですよ(>_<) 変わる努力ができそうならお散歩なりバイトなり家から出ることをおすすめしますが、ぽむぽむさんを助けてくれるのが医者なのかカウンセラーなのかはちょっと判断しかねます~。お辛いようなので状況が改善できたらいいな~とは思うのですが(>_<) 私の知恵を借りようとしたこと後悔してません?笑 大丈夫?笑

  2. schedule2016.06.24

    ぽむぽむ

    ブログを読んで、涙が止まりませんでした。とてもわかりやすくて、読みやすくて、目を通して本当に良かったです。

    私の家庭は、昔、(なつめさんまでは行かないかもしれませんが)、躾という名の恐怖ばかりの教育で育ちました。
    殴られたり、蹴られたり、そんなことはありません。ただ、理不尽に怒られたり、げんこつされたり、追いかけられたり、物を捨てられたり..

    これを、私は虐待だと思いたいのが本音です。
    そうすれば、自分はここまで壊れたこともおかしくない気がして、、、。
    でも、もしかしたら、はたからみたら、ただの躾かもしれない…
    そう思うと、父から受けた傷を、認められなくなってしまい、自分が苦しくなります。

    虐待の定義はどんなものなのでしょうか?
    私が悲劇のヒロインなだけなのか、もし、悲劇のヒロインなら、自分をきちんと罰しなくてはならないと感じてます。

    また、なつめさんはからだの方は疲れやすかったりしますか?
    私は学校以外は外に出ることがなかなかできませんでした。朝から鉛のように重くて..そのため今は無職で、未成年ということもあり、簡単には診断名もつかず、謎の疲れやすさと毎日戦っています。

    なつめさんの知恵をお借りしたいです。
    コメント欄に相談事を書いてしまいすみません..

  3. schedule2016.06.23

    なつめ

    ぬいさん!

    難しいを難しいで終わらせる気がなくて。難しいことって人間的に成長できるチャンスだと思うんです。難し過ぎると取り組む気なくしますけど 笑

    どんな家庭に生まれ育つかは、私の背負ってる私の課題ですからね。

  4. schedule2016.06.23

    なつめ

    まるまさん!

    読んでくださってありがとうございます!いつぞやはお世話になりました( *・ω・)ノ

    本が好きじゃなくても本を否定しない人がいいですね☆笑

  5. schedule2016.06.22

    ぬい

    家族がほしい
    それはとても切実な思いだと思います
    どんな家庭に生まれるかなんて自分で選べない
    そこでうけた傷は一生ものになるのだけれど
    やっぱり一人では生きられないのが人間で
    難しいなって思います

  6. schedule2016.06.22

    まるま

    過去のお話を書いてくださり、ありがとうございます。
    一度お会いした時に一本芯が通った方だなとは思っておりましたが、それは今までにそういったご経験をされてきて、それをなつめさんの中で消化してきたからこそそう感じたのかなと思っております。

    私も家族でいろいろと問題がありましたが、「自分が育った家庭が自分の所属する唯一の家庭だなんて、そんな人生は嫌。」というなつめさんの言葉に強さを感じました。
    私はまだ自分の家庭を持とうという気にはなれません。それはやはり、自分自身が家庭の居心地の良さであったり、幸せを知らないからだと思います。いつかなつめさんのように割り切れる日が来ればいいなあと思いつつも、それがいつになることやら…

    なつめさんは素敵な方だから、きっと素敵な方と出会えますよ(そしてきっとその方は本が好きなんだろうなあと思ってみたり…笑)。素敵な方と出会って幸せになってほしいです。

    私も陰ながら応援しておりますね。

  7. schedule2016.06.22

    なつめ

    ねむさん!

    はじめまして~☆
    怒りって、何に対するものですか?親とか境遇とかですかね?
    私は両親を恨んでたり憎んでた時代はありましたけど。乗り越えたっていうか非生産的だしくだらないから手放しただけで乗り越えてないかも~笑

    じゃあ私はねむさんを応援しますね☆

  8. schedule2016.06.21

    ねむ

    はじめまして。ねむです。
    コメントしようと思ったのですが、読んでいる内に頭が怒りの感情でいっぱいになってなかなか文章にすることができませんでした。
    この苦境を超えたなつめさんならこれからはきっとうまくいきますよ。
    応援しています。

  9. schedule2016.06.21

    なつめ

    AniesLeeさん!

    理解を示してくださりありがとうございます!お仲間のようですね 笑
    自分の過去は当時も記憶の中でも散々苦しめられて慣れっこなのです。でもAniesLeeさんの「親から「ごめんなさい」という言葉を聞いたことがない。寝室で寝て朝起きたら居間の壁凹んでたとか、お気に入りの物壊されてたとか、ほかにも色々。」は、悲しい。悲しかったね幼い私たちは。

    ご結婚おめでとうございます(*´ー`*)

    ここだけの話!笑
    私は披露宴で「母への手紙」をやりたいんです。過去と決別して公の場で「幕が引ける」感じがしません?

    自分が「普通」から逸脱してるって認識したときはショックだったな~。人と比べるといいことないっすよね(>_<)

  10. schedule2016.06.21

    AniesLee

    読んでいて、すごく気持ちが解ります。

    私は来年に結婚式を控えていて、実家のことで壁にぶち当たってる。
    今は実家は熟年離婚した母としか関わりを持ってない状況だけど。
    親から「ごめんなさい」という言葉を聞いたことがない。寝室で寝て朝起きたら居間の壁凹んでたとか、お気に入りの物壊されてたとか、ほかにも色々。
    誕生日や父の日に派手に祝わないと修羅場(かといって私は自分の誕生日は何も無い)
    私の恋愛は、理想の父親像探しだったんじゃないのかと今なら客観的に見れる。

    結婚式でよく「生い立ちムービー」や「親への手紙」とかって演出あるけど、うちはやらない、あこがれてても出来ない。
    そう言う瞬間に「自分は普通の披露宴すら出来ないんだな」って涙出たわ。
    彼の妹さん家族が眩しくてそれも凹んだ。
    普通の一般的な家庭なのに、私にとっては高次元の存在だよ。
    普通が普通じゃない。
    私は「普通」になりたいよ。

  11. schedule2016.06.20

    なつめ

    葉音さん!

    優しいかなぁ?(´・ω・`)?利己的な自覚はあるけれど。泣かせちゃってごめんね。泣ける貴女こそ愛情深いと思いますよ。

  12. schedule2016.06.19

    葉音

    読んでいて、涙が止まりませんでした。
    いつも優しくて強いなつめさん。

    でも、そんな過去を背負いながら、優しさをいつもくれていたんだと知り、何とも言えない感情が沸き上がってきました。

    何度も書くのを拒否したのでしょう。書いてくださって、ありがとうございます。
    私はなつめさんの過去を知ることができて良かったです。

    私は、今なつめさんが生きていてくれて、出会ってくれて、本当にうれしいです。
    誕生日のお祝いもできて、良かった。

    何だか上手く言葉がまとまらないのですが…
    どうか、素敵な男性と結ばれて、あたたかい家庭を築いて下さい。
    そばに、いますからね。

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