私が『セクマイ』になった理由~②自己否定感とうつ病
edit2016.02.19 1,390
以前、
「私が『セクマイ』になった理由~①祖母からのトラウマ~」
https://kokotomo.com/124146/
というブログを書きましたが、今回はその続きを書いていこうと思います。
そのブログで、私は祖母から女性らしくあることを強調され、自分が否定されたような感覚に陥り、私は私らしくありたいと、『セクマイ』としての自分を受け入れました。
ですが、自分を認めるということはそう簡単ではありません。
特に私の場合、姉や兄が優秀だったため、コンプレックスも強く劣等感もあったので、「『セクマイ』である私」を自分が受け入れても、なかなか他者からの承認は受け取れず、自己否定感ばかり募りました。
悶々とした日々を過ごし、高校を卒業。
これは『セクマイ』が原因ではなかったのですが、自己否定感の強さやいろいろな出来事から、大学一年生のときにうつ病を患いました。
うつ病に関する出来事については、また次回のブログで書いていこうと思いますが、当時からろくに人間関係を築いてこなかった私にとってうつ病になったことはとても大きく、更に自己否定感が強くなりました。
唯一、勉強は得意だったのですが、うつ病のため、集中力がなくなり、字がまともに読めなくなり、勉強するにもやっとな状態でした。
普通の恋愛もできない、普通の学生生活も送れない、そして祖母も含め家族や周りからの理解も得られない…。
虚無感と失望感に襲われました。
誰も私をわかってくれないと、やけになっていたこともあります。
その後、うつ病とともに、自分が『セクマイ』であるがために、悩んだり苦しんだりする出来事がありました。
好きな女の子への失恋
大学一年生の頃、私には好きな女の子がいました。
彼女との出会いは高校二年生の時。
大人っぽい考えで優しく接してくれる彼女に安心感とともに好意を抱いていました。
高校を卒業してもメールや電話などでやりとりをし、お互い忙しかったため、会うことはなかなかできなかったのですが、とても信頼していましたし、悩みも聞きあったりして、よい友人関係を築いていました。
大学は違ったのですが、私がうつ病になったときにいち早く気づき、話を聞いてくれたのも彼女でした。
彼女はとても繊細な心の持ち主で、私のメールでの微妙な変化に気づいたのでしょう、「どうしたの?」とすぐに声をかけてくれました。
今考えれば、私は彼女に甘えすぎていて、依存していたのだと思います。
彼女なら、私のことを理解してくれると思っていました。
そんなある日、彼女から一通のメールが届きました。
頻繁にやりとりをしていたので、メールが来た時には単純にうれしかったのですが、メールを見た途端、涙が零れ落ちました。
「私、彼氏ができたんだ。」
彼女は私が好意を持っていることは知っていました。
だからこそ、嘘偽りなく報告してくれたのだと頭ではわかっていましたが、心が冷静になることができませんでした。
「どうして?私が好きなこと、知っているよね?」
彼女と付き合いたいなどと夢を見ていたわけではなかったつもりでした。
でも、涙が止まりませんでした。
そのときに、改めて自分の感情を知りました。
私は彼女の一番になりたかったのだと。
彼女からの返信は、
「ごめん」
それだけでした。
『セクマイ』であることを受け入れていてくれていたと思っていた彼女からの言葉は、やはり恋愛感情は自分には向かないということしか意味していませんでした。
彼女が悪いわけでは決してないのです。
ただただ、普通の恋愛と同じように、告白してふられただけのこと。
そして、友人関係としては続いていただけのこと。
ですが、その時の私はまだまだ子どもで、自分のセクシャリティを受け入れきれずにいたのです。
それから、彼女との連絡は途絶え、私の恋心も友人も一緒に失いました。
心の支えもなくし、『セクマイ』としての自分への自信もなくし、うつ病は進行するばかりでした。
私を認めてくれる人は誰?
大切な友人でもあり、好きな人でもあった彼女をなくし、私は自分自身が信じられなくなりました。
うつ病の薬の副作用も大きく、大学の友人に遊びに誘われても、体も心もついていかず、だんだん友人とも疎遠になっていきました。
友人関係も好きな人も、家族も…
誰を信じていいのか、誰が『セクマイ』の自分を認め、愛してくれるのか…
まさに、人間不信、自己否定感の塊でした。
しかし、唯一私には救いがありました。
それは、人が好きという気持ちがあったことです。
人が信じられなくても、人と関わりたくて、人を好きでいたくて…
その思いの強さから、好きだなぁ、関わりたいなぁ、という思いが沸くようになりました。
自分で自分を肯定できないなら、違う誰かに肯定してもらおう。
誰かから自分の価値を見出そう。
そしたら、自己否定感もうつ病もよくなるかも?とある意味ポジティブな発想になりました。
それはもともと、私は人が大好きだったからだと思います。
その本質自体は変わってなかったということですね。
そこから、私の中で何かがはじけたように、色々な人に声をかけるようになりました。
すきな友達、すきな人…
とにかく、私を見て!!好きになって!!という感じだったと思います。
誰でも好意を向けられると、なんだかうれしい気持ちになるのでしょう、自分と話してくれる人が増えました。
特定の人と付き合いたいという思いはあったのですが、とにかく自分が生きてて楽しいことをして、生きるのに精いっぱいでした。
今は「バイセクシャル」(両性愛)ですが、当時は「レズビアン」(同性愛者→女の子ね!!笑)だったので、とにかく色んな女の子と話して、遊びました。
その人たちの中には今で理解者として私のそばにいてくれる友だちがいるので、私の当時の行動は決して悪いことではなかった!と胸を張って言えます。
悩んだ分、誰かの支えになる
それでも、心から自分を認め、『セクマイ』として生きるのにはやはり時間がかかりました。
私が私として、生きること。
人にではなく、自分に価値を求めること。
『セクマイ』の自分をもっときちんと認めてあげること。
それには、たくさんの課題があって、最終的には自分で結論を出さなきゃいけないんだと思います。
だって、本当に大切なことは、自分が自分を認めてあげることだから。
自分とは何か?
ありのままの自分で生きるにはどうしたらいいのか?
人それぞれ、答えは違うと思います。
でも、だからって一人で頑張れってことではありません。
こうやって境遇は違えど、同じような思いをしている人がいる。
私は自分が苦しんだ分、同じく悩んでいる人の話を聞いて、一緒に
悩んで解決していきたい、そう考えています。
それが自分なんだと思うし、私が『セクマイ』でよかったと思える理由でもあります。
『セクマイ』でもうつ病でも、色んな悩みがあっても、いっしょに悩めば、仲間がいれば乗り越えられる。
これが、本当に私が『セクマイ』になった理由。
自分を『セクマイ』として認めることができた理由です。
『セクマイ』になったからこそ、今の私がいる、それだけで十分なんだと思います。
ここをみてくれている皆さまへ。
私と出会ってくれて、ありがとうございます。
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